【初心者向け】オリジナル絵本の作り方
まず初めに。この記事を読んでも、絵本作家にはなれません。

いきなりすみません。
ぼくは20年近く絵本を作ってきましたが、できた絵本は、20年間でこれだけ?ってくらいの作品数です。そもそも出版もできていませんしね。だがしかし、絵本作りのヒントをお伝えすることはできると思っています。絵本を作って子供に読ませたい。誰かを喜ばせたい。絵本を作りたい理由は様々だと思いますが、自分で物語を考えて、絵を描いて、製本して。はたまた絵本を誰かにプレゼントするなんて、素敵ですよね。とりあえず一緒に、絵本を1冊作ってみましょう。
絵本制作の基本ルール

先に書いたように、ぼくは絵本を出版していませんし、絵本を仕事にしているプロではないので、これから書く内容については、絵本制作に対するぼくの持論です。くれぐれも鵜吞みにしないよう、よろしくお願いいたします。ただし、嘘は書きませんのでご安心ください。
子ども向けに書く
大人向けに書かれた絵本もたくさん売られていますが、ここでは、子どもが読むことを想定した、絵本の作り方についてお伝えしたいと思います。なので、子どもがひとつのことに集中できる時間を考えて、決して長くならないよう、普通は32ページで作ります。幼児絵本では24ページなどの絵本もありますが、(本の製本は、八ツ折を基本単位としているので、24ページから64ページまで、8ページ刻みで増えていくことになります)ぼくは32ページの絵本しか作っていません。物語を考える前に、あらかじめ何ページの絵本にしようかと、決めてしまった方が作りやすいですね。
本文のページ構成
32ページの場合、1ページ目を扉(タイトルや作家名)+15見開き+32ページ目は最後の場面もしくは奥付(本の本文が終わった後や巻末に設けられる書誌に関する事項が記述されている部分)、で構成されます。表紙本体と見返しはページ数に含みません。
文章の制約
全部で32ページの中に、物語の設定、主人公の性格、起承転結、諸々な情報量をなるべく短い文章で伝えなくてはいけません。なかなか難しいです。ぼくが作る絵本は、200文字から長くても500文字程度の文章でできています。好みの問題もありますが、子どもが途中で飽きてしまわないくらいの文章量で作りたいですね。
本文を書く

アイディアを見つける
では実際に、どうやって物語を書くか。まずは、というか、兎にも角にもアイディアです。「ネコが夜中にコンサートを開く」とか、「ペンギンの家がロケットになる」とか(ぼくの絵本の例ですが)。アイディアの見つけ方は…。アドバイス難しいですが、常にアンテナを張っておくこと。なんて月並みですけど…。日々の生活の中にきっと転がっているのだと思います。それを見逃さないこと。ですかね。ぼくの見つけ方は、誰かの会話のなかに出てきた、耳触りのよいフレーズをメモっておいて、それを、自分が主人公ならどんな展開が楽しいかな。なんて感じで、膨らましていきます。

ボーっとしているように見えて、物語を膨らませているんです。

ボーっとしている時間も多いでしょ?
15場面を考える
見開き15ページで作成しますので、扉と最終ページを抜かした15場面で物語を考えます。ぼくの場合は、まず1枚の紙(A4用紙横)に16マスになるように線を引き、大まかなストーリー、設定、こんなイラストレーションかな。といった内容を書いていきます。なんとなくオチはこんな感じかな。くらいできたら、今度は名刺サイズくらいの紙に1場面ごとに、もう少し詳細を書き出していきます。それを並べて、ちゃんとストーリーになっているかなど確認していきます。そうすることで、場面の入れ替えや、追加・削除などの構成がしやすくなるのです。
絵(イラストレーション)を描く

ぼくは絵が下手で、とても苦手意識を持っています。ただ心を込めて描いたらいいのではないかと勝手に思っています。なので、絵は人に任せようとは思わないで、自分で一生懸命もがきながら描いています。
ただの説明は面白くない
絵についてアドバイスできることはほとんどないのですが、本文が絵の説明にならないよう、または、絵が本文の内容説明にならないように気を付けています。絵で描かれていることを、本文でつらつらと説明している絵本は、面白くない思っています。限られたページ数・文字数の中で、そんな無駄な文(絵)を書く余裕はないのです。
何を使って描くか
画材は何を使うかというのは、迷うところだと思いますが、そこは本当に自由だと思います。デジタルにするかアナログにするかも含めて。PCもひとつのツールに過ぎないので、なんでも使ってしまえばいいと思います。ぼくが使っている画材は、主にコピックです。鉛筆で線を引き、コピックで色付けをして、PCに取り込んでPhotoshopで整えるという感じで制作しています。他の人がどのように制作しているのかとても気になりますね。
製本する

文と絵が完成したなら、本の形にしたいですよね。絵本ですものね。出版を目指して制作している人には、関係ない内容かもしれませんが、ぼくの製本方法をご紹介します。ただの一例ですので、他にやりやすい方法があれば、ぜひ教えてください。

たまに絵本内容より、製本が良い!って褒められることがあります・・・。
印刷する
先ほど書いたように、Photoshopで絵を完成させていますので、その絵のデータに本文を流し入れていきます。そのあとページごとにトリミングをして、illustratorに配置します。この時、両面印刷で重ねることを想定して、図のように配置していきます。ちなみにぼくの使っているプリンターは、両面印刷ができないので、片面ずつ、向きを間違えないように、いつも迷いながら印刷しています。

綴じる
両面印刷した32ページ(8枚分)と表紙と本文を連結する見返し紙1枚を合わせて、綴じていきます。紙の真ん中を留めることができるホッチキスでもいいですが、ぼくは針と糸を使って綴じます。なんとなくその方がスマートに見えるかなと思って。

表紙を作って完成
本文の用紙より少し大きいサイズで、表紙を作ります。印刷して、表紙・背表紙・裏表紙の裏に厚紙を貼ります。あらかじめ決めていたサイズに折り返しノリ付けし、見栄えよくしていきます。ノリが乾いたら、表紙と本文と連結して完成です。

ノリの調合
ちなみに、表紙の裏に厚紙を貼るのと、表紙に本文を連結する際に使用しているノリは、木工用ボンドとでんぷん糊(ヤマトのり)と水を1:1:1で調合したものを使っています。それを刷毛でササっと塗るように付けます。

配分は適当で、根拠もありません。
水を混ぜているので、乾くまでに時間がかかりますが、逆にしばらくは、貼り直しも可能なので、扱いやすいと思います。また、そのまま乾かすと本文の紙がふやけてしまうので、乾かす時は、本文と表紙の間にクリアケースと新聞紙などを挟んで、重しをして1日くらい置いておきます。
絵本制作で一番大切なこと
絵本を作るうえで、一番大切なことは「アイディア」です。設定とアイディアは別物で、編集者の方もおっしゃっていますが、設定から入るのも良いけど、その中にどんなアイディアを見出すかがとても大切なんです。
コメント