【大人】が読むべき絵本『へいわとせんそう』

戦争はいけないという絵本です。いや、なぜ戦争をするのか?という絵本かもしれない。もしくは、平和と戦争どっちがいい?って絵本かも。大人が読むべきとタイトル打ってしまいましたが、絵本は読みたい人が、読みたいものを読んだらいいんですよね。

のぶゆきです。
吾輩は絵本作家である。出版絵本はまだ無い。
ぼくが絵本を描く理由は、“争いのない社会の実現”です。いや嘘ではないです。かわいいイラストレーションや、楽しいおはなしを読んで、「さて、あの人を傷つけにいこうか」なんて考える人がいるのかなって思うのです。この絵本は、そんなぼくの絵本に対する想いが、どストレートに描かれた作品でした。
『へいわとせんそう』
ぶん:たにかわ しゅんたろう え:Noritake 出版社:ブロンズ新社(2019/3/25)
- 文と絵が潔いほどシンプル
- 平和と戦争の対比
- 白と黒のデザイン性が抜群
以下、絵本を制作する絵本作家のひとりとして、子を持つ親としての個人的感想です。
文と絵が潔いほどシンプル

日本を代表する詩人、谷川俊太郎さんの文です。1分もかからずに読み終えることができてしまいます。そして世界でも活躍するNoritakeさんの、可愛らしい線画。これで完璧な幼児絵本の完成!となるところですが、テーマ・タイトルが『へいわとせんそう』。幼い子でも読めると思いますが、これは大人が読んで、しっかり考えて、子どもたち伝えなければならないという気持ちになります。シンプルだからこそ、内容がストレートに飛び込んでくるのだと感じました。
平和と戦争の対比

平和の時はこう。戦争になるとこうなってしまうよ。という比較で始まり、人はどうか。自然はどうか。とシフトしていきます。後半は本当にドキッとさせられます。敵と味方って何が違うの?何と戦うの?ってね。その構成が完ぺきな絵本です。
2歳の息子に読み聞かせ
ウチには、2歳の息子がいます。まだ言葉が出ません。

「んー!」とか「ぎゃー!」とかは、ずっと発してます。
あと、くしゃみの真似が得意です。
夕飯のおかずで、自分(息子)のお皿とぼくのお皿に同じものがあると、交互に指さして、「んー。」「んー。」(「同じだー」)と表現することを最近覚えて、よくやるようになりました。
この絵本を読み聞かせした時も、ページの左右を「んー。」「んー。」と言って交互に指さしていました。内容は、きっとまだわからないだろうと思いますが、「同じだね。なんでだろうね。」と話しかけています。もう少し大きくなったら、どんな会話ができるのかな。とか考えながら。
息子は争わない
息子は保育園に通っておらず、行動範囲は妻の実家と、近所の公園くらい。なのであまりお友達との交流がないのです。たまに公園で居合わせた子とは、どう接していいかわからないといった感じになります。(みんなそうなのかな…)おもちゃを奪われても、滑り台でバッティングして、よだれを顔にかけられても、“スン…”とした顔して。なんだか健気(けなげ)だなと思いますが、我慢しているだけなら親としては心配でもあり。とにかく息子は、今のところ争う気持ちはない様子。
白と黒のデザイン性が抜群

先ほどシンプルなイラストレーションと書きましたが、写真のページが1ページあります。それも含め、この絵本は全てが、白と黒で表現されています。黒い紙に黒い文字のページもあり、なんだかとてもおしゃれ。本のサイズ感もコンパクトで良いし、Noritakeさんの小さな画集として部屋に飾るのも、とても良い感じです。ちなみにNoritakeさんのイラストレーションはペンで描かれているそうですよ。だから温かみがある絵になるのでしょうね。真似しようと試みましたが、全然うまく描けませんでした。
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